全農林は、管理職を除いた農林水産省と独立行政法人で働く人たちが加入している高い組織率をもった組合です。組合員は約12,500人です (2018年11月現在)。
組合員が所在する職場は約480カ所で、職種も細かく分かれています。そのため、組合員は、職種別・階層別にさまざまな要求を抱えていますが、 全農林は単一組織としての良さを発揮し、きめ細かな各層・職域対策などを行っています。
組織の具体的な運営は、規約・規則・規程などで決め、組合民主主義を徹底し、組合員に密着した組織づくりに努めています。
『中央本部』、『分会(112分会)』には、それぞれ活動の推進役となる執行委員会が置かれ、 各段階における議決機関で決定した運動方針に基づき、中央・分会が一体的・統一的に運動を進めています。
少子・高齢化時代を安心して暮らしていくために、市場原理や効率主義だけではなく、公平・公正・安心・安全、人権や環境・雇用などに配慮し、国民生活を重視した「労働を中心とした高度福祉社会」の実現が重要です。私たちは、医療や年金など社会保障制度を充実させ、ゆとりや豊かさが実感できる社会をめざす活動に取り組んでいます。
民主的で明るい職場にすることは、全農林労働組合結成の原点です。私たちは、安全・安心な社会づくりに向けたセーフティネットの確立、国民の視点に立った公平・公正な公共サービスを提供する組織づくりと、やりがいを感じ、安心して働き続けられる職場をつくるために努力しています。
21世紀は、地球規模での食料・環境問題が大きな課題です。しかし、わが国の農林水産業は、生産者の減少や担い手の高齢化、耕作放棄地の増加と農畜産物の輸入自由化などによって縮小・衰退を続け、食料自給率が低迷する一方、世界最大の農林水産物輸入国となっています。加えて食品の安全を脅かす事件の多発により、国民の意識は「食の安全・安定」を強く求めています。農林水産業を再建し、安心・安定の食料供給や国土と環境の保全、農山漁村や地域経済の活性化など、多くの役割を発揮することが、将来の国民生活のためにも重要です。
世界の流れは、反核・軍縮に向かっています。しかし、わが国では、米軍再編の強化と日米軍事一体化、自衛隊海外派兵の恒常化など、世界の流れに逆行する動きが目立っています。また、原子力発電所の事故も多発し、多くの問題が生じています。私たちは、憲法の平和理念をもとに、反核・軍縮の推進と自衛隊・在日米軍基地の縮小など、安心して暮らせる社会の実現を求めています。
公務員労働者は、労働基本権の「団結権」しか認められていないため、その代償措置として「人事院勧告」制度が設けられています。しかし、近年は政治の圧力により引き下げ勧告が行われるなど、労働基本権制約の代償措置としての人事院勧告制度の限界が明らかになっています。私たちは、公務員給与に対する社会的合意をもとめ、労働基本権の確立と団体交渉による賃金決定制度の実現に向け取り組んでいます。
労働時間の短縮は、私たちがゆとりある生活を営むために欠かせない重要な課題です。しかし現実には、年次有給休暇の取得率も低く、さらに、総人件費削減政策による定員削減から一人当たりの業務量が増加し、超過勤務が1カ月に100時間を超える職場も多く見られます。ワーク・ライフ・バランス社会の実現に向け、労働時間の短縮や新たな休暇制度を求める活動に取り組んでいます。