この間、中央本部は、契約職員の無期転換など改正労働契約法に対して、国の政策推進の一機関として法令遵守、さらに法の精神を十分に踏まえた対応などを農研機構当局にもとめてきた。しかし昨年12月以降の協議では、①この間、長期にわたり継続雇用となっている契約職員の多くが無期転換の対象となっていないこと、②各研究センター等の「雇用検討委員会」による対応となる中で、場所毎の考え方や対応に大きな差異があること、などが大きな問題となった。そのため春段階では、農研機構当局としてのマネージメントと各研究センター等による無期転換の対象拡大にむけたさらなる努力をもとめてきた。
申し入れの冒頭で柴山副委員長は、「残り半年弱となった無期転換への対応について、今後、農研機構当局はもとより各研究センター等の当局と協議を再開することとなる。申し入れにもあるが、一部の研究センターで、春段階までの検討から大幅に後退するばかりか、法律に抵触しかねない問題が発生し、職場に混乱と不安をもたらした」と指摘。さらに「この件は、すでに農研機構当局はもとより当該当局にも厳しく指摘する中で、方針の撤回ということで整理してきたが、今後の各研究センター等での対応に課題を残すとともに、農研機構当局としてのマネージメントに対する不安と懸念を生じさせる事態である。今後、法人としての組織的責任を踏まえ信頼関係の下で協議がおこなえるよう、申し入れ項目に真摯に向き合っていただくよう強く申し入れる」とした。
これに対し長田理事は、「一部の研究センターでご指摘の事案が生じたことは農研機構本部としても残念であり、その後の指導により撤回したところである。従来から、各研究センター等を指導してきたところであるが、引き続き徹底していく」との見解を示した。
これを受け柴山副委員長は、「改正労働契約法への対応が、結果として契約職員の皆さんや現場で働く組合員、さらには研究開発法人としての事務・事業の遂行に悪影響をもたらしてはいけないと考える。改めて誠意を持った対応をもとめる」と述べ、当局との確認をおこない、申し入れを終えた。
2017年08月24日 | 交渉情報