冒頭、岡本書記長は「組合員は、農林水産行政に対する国民ニーズに的確に対応すべく、日夜、業務に邁進している。一方、労働条件は競争力強化プログラムに基づく農林水産物の輸出入検疫など、増大する業務量に要員確保が不十分なため、超過勤務の恒常化など、極めて厳しい実態にある」とし、処遇・労働条件確保にむけた春闘要求書への回答をもとめた。
これに対し当局は、交渉事項に関する回答を各担当課長等がおこなった。これを受け、さらに岡本書記長は、①賃上げ、②公務での働き方改革、③再任用制度の円滑な運用、④4月以降の業務運営、⑤次年度の予算・定員の確保、等で見解をもとめた。これに対し、荒川官房長および青山秘書課長が次の見解を示した。
①賃上げでは、公務の特殊性および職員の生活実態等を十分考慮し、国民の理解が得られる適正な水準が確保されるよう、引き続き関係機関に働きかけていく、②公務での働き方改革では、「農林水産省女性活躍ワークライフバランス推進のための取組計画」に基づき、業務の効率化や風通しのよい職場づくりを積極的にすすめている。引き続き推進したい。非常勤職員の処遇には、制度官庁の動向を注視したい、③再任用制度の円滑な運用では、再任用に必要な定員・定数の確保に努めていく。定年延長などには、政府全体の検討の中で適切に対応していく、④4月以降の業務運営では、職員とのコミュニケーションを十分図り、管理職のマネジメントのもと、職員の業務運営状況を適宜把握し、業務の見直し・効率化を着実にすすめるなど円滑な業務運営に努めたい。なお、各職場での業務運営上の課題には、現場実態や職員の意見等を踏まえ、真摯に対応していく、⑤次年度の予算、定員の確保では、「強い農林水産業」と「美しく活力ある農山漁村」を実現するための施策の展開に必要な予算、組織・定員を措置した。平成30年度でも、効果的に施策を展開できるよう、検討をすすめたい。独法の運営費交付金等も、独立行政法人と連携して必要な予算の確保に努めたい。
続いて、中央本部は宿舎の確保、超過勤務縮減、ハラスメント防止対策、福利厚生の充実、人事評価で再度当局見解をもとめた。
回答を受けた後、最後に岡本書記長は、「本日段階の回答を受けた。残念ながら私たちの要求に応えたものとはなっていない。労働条件に大きな影響を与える多くの課題が山積する中で、組合員は組織や自らの生活への将来不安を募らせながらも、国民からの行政ニーズに応えるため、日夜懸命に農林水産行政に従事している。当局はこれら組合員の労苦に報いるためにも、要求事項の解決・前進にむけ、引き続き最大限の対応をいただきたい」ともとめた。
これに対し荒川官房長は、「数多くの課題について職員からの声を聞かせていただいた。将来にわたって国民の期待に応えられる農林水産施策を展開していくためには、本省と地方機関等が一体となって協力して取り組んでいくことが重要と考えている。本日の交渉を踏まえ、職員が今まで以上に安心して働きやすい職場となるよう引き続き努力したい」と答えた。
2017年03月30日 | 交渉情報